約半年間の育休の感想
昨年の9月に子どもが生まれて今年の3月末まで育休を取得していたので、その感想を残します。
出産まで
育休は出産予定日から取得していましたが、初産なこともあり予定日が数日ずれました。その結果子どもはまだ生まれていないが、パソコンは返して仕事は休みで何もすることがない期間が発生しました。たくさん仕事をしたい人は予定日の1週間後を育休開始日としつつ、その前に生まれたら有給を使って対応するのもありかなと思いました。ただ空白の期間が発生するのは、物や心の準備ができる、慌てて会社のパソコンを返さなくても良い、最後のゆっくり休める期間を楽しむという点で悪くはないです。
出産は自分自身にグロ耐性がないのもあって立ち会わないことを選びました。そろそろ産まれそうというタイミングで分娩室を出て廊下で10分ぐらい待機していたら泣き声が聞こえてきました。産まれた直後に助産師さんに「スマホを出して!動画撮って!」と急かされたのはホスピタリティが高いなあと関心しました。産まれた直後の処置の様子をデータとして残せたのは良かったと思います。
生後1か月まで
出産した産院のサポートが手厚く父親教室を受講することができたので、子どもの寝かせ方やミルクの上げ方のコツなどを教えてもらいました。赤子に触るという経験が人生のこれまでで一度もなかったですが、「子育ての難易度が高いなら人類はとっくに滅亡しているはず。なので自分にもいい感じにできるはず」というマインドで育児に向き合いました。
1か月までは両親の2オペ体制でした。日中は2人で、22時から5時までは自分1人で、5時から12時まではパートナー1人で子どもの様子を見るオペレーションを組みました。乳幼児突然死症候群 (SIDS) に怯えていたので自分は夜通し起き続けて、定期的に脈を確認していました。夜中でも子どもは約3時間毎に起きるため、その都度ミルクを飲ませる必要がありましたが、満腹になるとすぐ寝るタイプだったので苦労は少ない方だったと思います。飲んだらすぐ寝る様子は家ではどか飲み気絶部と呼んでました。
生後2か月まで
変則的な育児の取得の仕方をしていて、この時期だけ一時的に職場に復帰していました。早めに仕事に復帰したいパートナーの希望もあり、1か月までは育休&産休で2人体制、その後から2か月までは産休で1人体制、その後から3月末までは育休で1人体制という計画でした。日中は仕事、夕方にお風呂は2人で対応、深夜対応は引き続き自分が行うという形でした。
この時期にパートナーが子どもを連れて実家に2週間ほど帰省しました。しかしその実家で姪から RS ウイルスをもらった結果入院することになりました。これに合わせて慌ててパートナーの地元に移動し、病院に泊まり込みで看病をしました。幸いにも特に重症化せず、本人はちょっと咳と鼻水が出るぐらいでケロッとしていたのが救いでした。
生後3か月まで
先ほど書いた通りこのタイミングから本格的に育休に入りました。1日の流れは10時頃起きてパートナーと子守を交代、日中は基本的にずっと子守担当、夜は子どもが起きたら都度対応という形でした。パートナーが基本的に在宅勤務かつ勤め先の理解もあり、中抜けをしてもらい日中の授乳は母乳でした。この日中の授乳は自分目線だと「3~4時間に1回訪れる15分休憩」だったので仮眠やゴミ出しなどの溜まっている家事の消化や息抜きにちょっとゲームしたりと、気分転換に良かったです。
この頃から寝かしつけが大変になってきました。先ほど書いた通り夜中はミルクさえ飲めばすぐ寝てくれるのに対して、19時頃の入眠のタイミングはなかなか寝てくれず、ずっと泣いていることが多かったです。泣いているときに抱っこして歩くと泣き止む「輸送反応」を期待して家の廊下をひたすら歩くことを繰り返していました。時間がかかる日では30分ぐらいずっと廊下を歩いていたこともありました。歩く以外にも日によっては、その場で駆け足をしてみたり、スクワットを試したり、ダンシングフラワーみたいに横揺れをしてみたりと試行錯誤していました。
あまりにも寝かしつけが終わらない日はパートナーに交代をお願いすることもありました。抱っこする人が変わると本人的に気分転換になるのかすんなり寝ることも多かった気がします。寝かしつけは大変でしたが、交代が可能という後ろ盾があるのはメンタル的に救われる部分がありました。
生後4か月まで
この頃になると自分の生活リズムも安定してきて、毎日の行動が固まってきました。その中でも子どもをベビーカーに乗せてのお散歩をする日課が印象に残っています。子どもに日光や外気を浴びせるのが良いという話もあって毎日近所を散歩していました。この散歩ついでに近所の飲食店でお弁当を買ってお店を開拓するのも日課になりました。
この頃からこちらのアクションに対して子どもから返ってくるリアクションがかなり豊かになってきました。前月まではメリーを近くに置くと目で追う程度だったのが手を伸ばしてくれたり、話しかけると笑い返してくれるなどのリアクションが増えました。巷でよく言われる「他の人の反応がないリモート会議はつらい現象」と同じく、日中遊んでいて大きな反応がなく寂しいところだったので、この変化はポジティブなものでした。
生後5か月まで
生後5か月になり、離乳食が始まりました。新しい育児タスクがアンロックされたことによって少し難化にはなりますが、普段の遊び以外に子どもと触れ合える機会が増えるのは良いなと思いました。早く一緒に回転寿司とか焼肉チェーン店に行きたい〜と考えながら日々離乳食を食べさせています。
全体的な感想
ペットを飼ったこともたまごっちをプレイしたこともなかったので、何か生き物のお世話をするという経験自体が初めてで、何をやっても新鮮な体験でした。特に新生児期は「お腹を空いたらすぐミルクを飲ませる」「うんちをしたらすぐにおむつを変える」という部分がたまごっちの仕様と似ていて、育児をゲーム化したのがたまごっちだったんだなと感心しました。
子どもの成長も伴って育児タスクがどんどん増えていくのも、ゲームに近いなと思いました。
まだまだ育児は始まったばかりかつ、仕事を復帰すると両立で難しい部分が出てくるとは思いますが、頑張っていきたいと思います。
2025年 ふりかえり
去年のやつ
OSS
OSS を使っていて気になる挙動について Issue を立てたりパッチを投げました。今年はあんまりインパクトの大きいことをできた記憶がありません。
むしろ Issue を立てたもののうまくハンドリングができず放置気味になってしまっているのがいくつかあります。良くない...。
今年は仕事で Nuxt.js のプロジェクトにも関わり始めたので、そちら方面でも活動していました。
Issues & Pull Requests
Issues:
- Outdated English docs despite updated Markdown files · Issue #20203 · vitejs/vite · GitHub
- React is not marked as external in the build, which causes errors when used in Next.js v14 (React v18) projects · Issue #36 · stevensacks/storybook-react-i18next · GitHub
- `engines.node` is too strict and incompatible with Node.js 20 · Issue #15 · k35o/storybook-addon-mock-date · GitHub
- When `.npmrc` contains comments, the `nuxi module add` command fails. · Issue #880 · nuxt/cli · GitHub
- docs: An error occurs when accessing a documentation page using a URL with a trailing slash. · Issue #3602 · nuxt-modules/i18n · GitHub
- Add `localeDetector` option to customize locale detection during Vue component rendering · Issue #3609 · nuxt-modules/i18n · GitHub
- Generate HTML Snippets for Backend Integration · Issue #19578 · vitejs/vite · GitHub
Pull Requests:
- fix(module): fix parsing bug for .npmrc files with comments by odanado · Pull Request #881 · nuxt/cli · GitHub
- Add `react` to `peerDependencies` to prevent multiple React versions from being bundled by odanado · Pull Request #37 · stevensacks/storybook-react-i18next · GitHub
- fix: replace `baseURI` to `location.href` by odanado · Pull Request #479 · mswjs/mswjs.io · GitHub
- Add link to pnpm implementation in `devengines-field-proposal.md` by odanado · Pull Request #48 · openjs-foundation/package-metadata-interoperability-collab-space · GitHub
寄付
昨年に続いて今年の9月までは core-js/Prettier/ESLint/typescript-eslint に毎月継続して支援していました。しかし9月から育休を取得して収入が一時的に減少するのもあり、10月以降は停止しています。
仕事
5月にチームのマネージャーになったのが一番大きな変化でした。以前のマネージャーが退職したのがきっかけでした。
マネージャーの打診をされたときに
- 隣のチームのマネージャーがプレイングマネージャーとして働いているので、コードを書き続けることはできそう
- チームの外のステークホルダーとの関係性やコミュニケーションの勘所への理解度には自信があるので、うまくチームをマネジメントできそう
あたりの打算が働いたので、受諾しました。
エンジニアとして新卒で就職したときは、マネージャーにはならない!という気持ちが強かったのに、人間は変化するものですね。
マネージャーになった直後にチームのメンバーと担当プロダクトの増加するイベントがありました。これに対応するためにチームの責務を広げて明文化したり、チームの仕組みを整備するのに忙しかった記憶があります。
登壇
TSKaigi 2025 で LT で登壇しました。
令和最新版TypeScriptでのnpmパッケージ開発 | TSKaigi 2025
話す内容には自信があったので CfP を書いた時点ではイケイケでした。ただ本番が近づくにつれて、背景や話したいことを整理する中で LT じゃ時間が足りないことがわかってきたり、整理がうまくいかないなという自覚があったのが、残念なポイントでした。
来年はもう少しアウトプットの形や質を見直したいなと考えてます。
プライベート
少し上で育休について触れた通り、今年1年だけで結婚、マンション購入、出産とライフイベントを駆け上がりました。
5月にマネージャーになった直後の9月から育休で仕事を抜けることになりましたが、チームのメンバーや上司の理解や助けがあって実現ができました。
育児は、深夜の授乳を担当しているので夜中に起きるのが大変だなと感じています。他にも対応することや気を遣うことがたくさんありますが、パートナーと協力できる状態なのと子どもが小さくて可愛いので大きなトラブルもなく継続できています。
育児の中で「現代は便利な空調機器や性能のいい断熱材のおかげで冬でも赤ちゃんにも優しい温度と湿度を保てるけど、竪穴式住居がメインだった縄文時代の育児はもっと大変だろうな」とか、子どもの寝かしつけのギャン泣きがひどいときは「睡魔は魔という漢字が使われているし眠いとそりゃ怖くて泣くよな」みたいなことに思いを馳せています。
来年
育休明けが4月からなので少し遅いスタートにはなりますが、育児と両立しつつ本業のマネージャー業を今年と同じぐらい頑張って、プロダクトとチームの成長に貢献したいと考えています。
個人の活動では登壇や OSS 活動で "面白い" ことができたらいいなと思ってます。具体的には面白いバグを Issue で報告したり、面白いプロダクトやライブラリの開発したり、面白いと思える内容で登壇するといったことです。自分の興味や知的好奇心を大事にしていきたいです。
Firecracker で任意のコマンドを実行できる API を実装してみた
Firecracker は AWS Lambda や AWS Fargate でも使われている OSS の仮想化技術です。
先日 Twitter にこの Firecracker を使って、AI エージェントの動作基盤を開発しているスライドが流れてきました。
資料公開しました!弊社 Takumi の動いている Firecracker 基盤の話をしました。オタク各位是非 #アーキテクチャcon_findyhttps://t.co/A4i4qYe1gt
— YONEUCHI, Takashi (@lmt_swallow) 2025年11月21日
これを見て大学生の頃に任意コマンドを実行できる Slack Bot を作って、大学のサークルの Slack に放流していたことを思い出しました。
きっと同じものをまた作れるのでは?と思い、実装してみました。
PoC というか hobby use 用のコードです。
動作
例えば以下のような Python コードを用意して
print("Hello World! from Python") def fib(n): if n < 2: return n return fib(n - 1) + fib(n - 2) print(fib(10))
$ curl -X POST http://localhost:3000/run -H 'Content-Type: multipart/form-data' -F file=@./examples/example.py -F 'payload={"environmentName": "python"};type=application/json'
{"stdout":"Hello World! from Python\n55\n","stderr":""}
仕組み
KVM + Firecracker で立てた microVM の中で任意のコマンドを実行してその結果を返しています。
- API サーバ: ユーザーのコードを受け付ける
- API サーバ:
python -c形式のコマンドに変換 - API サーバ: Firecracker の管理を行うプロセスに microVM の起動を依頼
- Firecracker Manager: microVM を起動して、VM 内と通信ができる UNIX ドメインソケットを返す
- API サーバ: VM 内のプロセスに対してコマンドを送信
- VM 内のプロセス: コマンドを実行して結果を返す
という流れになっています。
今回はただ動くものを実装するのが目的だったので、全部を Node.js で実装してます。多分ちゃんと運用するなら VM 内のプロセスは、シングルバイナリにできる Go とかで書いたほうがいい気がします。
Tips
実装する中で気づいた知見について紹介します。
.ext4 ファイルは Docker イメージから生成できる
microVM のディスクファイルとして、.ext4 ファイルを用意する必要があります。
docker export を使うとコンテナのファイルシステムを書き出すことができるので、これを使うのが楽でした。各言語のセットアップなどは有名な Docker イメージを利用できるのが便利です。
ゲストのプロセスとの通信は vsock 経由で行う
vsock は VM とホストマシンが通信するためのアドレスファミリーです。Firecracker 独自の仕組みではなくて、VM 全般で利用される仕組みのようです。
ただ自分はこのことを知らなかったので、以下のドキュメントで初めて知りました。
ホスト側はソケットが生えるだけなので、便利な仕組みだなと思いました。
microVM 内でループバックアドレスを up する必要がある
Node.js は vsock をネイティブにサポートしていません。
なので今回は socat を使って、vsock を TCP に proxy することにしました。
具体的には microVM の起動時に以下のコマンドも実行しています。
$ socat VSOCK-LISTEN:8000,fork TCP:127.0.0.1:8080
こうすれば 8080 ポートで HTTP サーバを立てるだけで済むので実装の難易度が下がります。
ただ初期状態の microVM ではループバックアドレスが down していたので、以下のエラーが発生しました。
# 2025/11/25 15:34:53 socat[248] W connect(5, AF=2 127.0.0.1:8080, 16): Network is unreachable 2025/11/25 15:34:53 socat[248] E TCP:127.0.0.1:8080: Network is unreachable
これを解決するために、起動時に ip link set lo up も実行してます。
余談
実装にあたって仮想化や Linux 周りの知識が不足していたのを ChatGPT にかなり助けてもらいました。昔だったらもっと時間がかかっていた気がします。
これを本番環境で稼働させるための調査や追加の実装はさらに時間が必要になると考えてます。
さっと動くものは簡単に作れるけど、ちゃんと動くものまでの距離は依然遠いままだな〜と感じました。
JSConf JP 2025 に参加してきました
JSConf JP 2025 に参加してきました。 jsconf.jp
所属のLINEヤフー株式会社がカンファレンスのスポンサーをしていたため、スポンサーチケットがあったのでこちらを使っての参加でした。
以下印象に残ったセッションなどを書いていきます。
What's New in ECMA-402
ECMA-402 はあまり馴染みのない言葉でしたが、i18n のための API に関する標準仕様のことでした。
i18n に関する仕様や実装は階層構造になっていることを示したスライドが一番強く記憶に残っています (セッションでは i18n stack と呼ばれていた)。
普段利用している i18n のライブラリは最上位に位置していて、下層の仕組みを正しく理解すると i18n 関係の実装を行うときにより手札が増えて良さそうだなと思いました。
From Chaos to Harmony: A History of JavaScript(混沌から調和へ ― JavaScriptの歴史)
キーノートでしたが、一番面白かったセッションでした。
自分がフロントエンドに入門した頃は ES6 が登場しつつあり、babel?というやつを使うと ES5 になっていろんなブラウザで動かせて便利!という世界観のタイミングでした。
ES5 以前の ES4 は提案だけされたもののまとまらなかった話は、聞いたことがない話だったので大変面白かったです。先人たちの議論や試行錯誤の上に今日の JavaScript や Web が存在すると考えると感慨深いです。
ちなみにこのセッションで初めて JavaScript と同い年なことを知りました。
サイボウズブース
ブースに行くとマネジメントの話ができるとのことだったので、30分ぐらいおぐえもんさんと会話させていただきました。なかなかこういう機会はないので貴重でした。
今サイボウズブースにいます!@nus3_ と@__sakito__ さんとマネジメントをテーマにお話しします!#jsconfjp pic.twitter.com/jaKy3KLMyW
— おぐえもん (@oguemon_com) 2025年11月16日
大規模プロダクトで実践するAI活用の仕組みづくり
個人で AI は活用できるけどチーム単位で活用できているか?という課題感を持っていたので、ここに刺さる実践的なセッションでした。
やっぱもっと AI を活用していきたいよね〜という気持ちになりました。
Media Capture and Streams: W3C仕様と現場での知見
仕事で MediaStream を使った Webアプリをメンテナンスしているので、なんとなく使い方や API は知っていました。しかしフルスクラッチでその Web アプリを書き上げたわけではないので、全体像については曖昧な状態でした。
このセッションでは実際に MediaStream を使う中でハマった事例が複数紹介されていました。そのため次にコードを書くときに自分の中で気をつけるべきポイントを増やすことができて有意義なセッションだと感じました。
MediaStream を始めとしたネイティブの機能が絡む Web API は、簡単でもいいので実際に Web アプリを開発して自分の手で触らないと正しい使い方がわからないので難しい、とも感じました。
大規模モノレポの秩序管理 失速しない多言語化フロントエンドの運用
仕事でコンポーネントライブラリに含まれる以下のようなパッケージを
以下のように整理したことがありました
なので発表の内容にはとても共感ができました。
GraphQL の例が紹介されていましたが、データに対する操作とそのデータ自体は分けるほうがきれいに整理ができるパターンだと感じました
終わりに
今年の JSConf JP も楽しく参加できました。
スポンサーセッションでは実務に寄った話が多くこれはこれで参考になりますし、他のセッションでは JavaScript 自体の話や規格の話もあったので、バランスが良かったなと感じました。
運営の方々や登壇された方、ありがとうございました。来年も開催されれば参加したいと思いました。
line-developers-mcp-server を開発したときの気付き
LINE Developers を検索してくれるMCPサーバを少し前に開発したときに気付いたことを残しておきます。
開発途中の作業ログは Zenn に置いています。 zenn.dev
ドキュメント検索系のMCPサーバは検索の品質が本質になる
結局はMCPサーバは単なるプロトコルです。なのでプロトコルの中で高品質な機能を提供する必要があります。
今回開発したドキュメント検索系のMCPサーバは、LLMとのやり取り部分のプロトコルが決まっているRAGといえます。なのでより便利なツールにするには検索部分の品質を高める必要があります。
line-developers-mcp-serverではサイトに実装されている検索機能をPlaywrightを使うことで検索を実現しています。
この検索機能は改善の余地があります。例えば LINE Login 概要 ではなく LINEログインの概要 で検索しないと LINEログインの概要 | LINE Developers がヒットしない点です。ドキュメントがヒットしないのでLLMが何度か検索ワードを変えて検索している場面が何度かありました。
単語の表記揺れに設定を入れたり、ベクトル検索を導入するなどの改善点が考えられます。
ドキュメント検索に特化したMCPサーバのOSSが出てきそう
VitePressはMarkdownファイルから人間の向けのドキュメントサイトを構築するOSSです。
これと同じ構図で、Markdownファイルから検索エンジン付きのMCPサーバを構築するOSSが出てきそうな気がしていました。
自分の観測範囲では実際にそれ用のVite Pluginが公開されていました。
あとは https://gitmcp.io もリポジトリ上にMarkdownファイルがあるなら同じような使い方ができると思います。
Webに公開されているドキュメントならGoogleのsite:検索を使うほうがお手軽かもしれない
https://developers.line.biz/ja/ はWebに公開されているドキュメントです。
なので site: https://developers.line.biz/ja/ ${検索ワード} とGoogleで検索すれば精度高く関連ドキュメントを見つけることができます。この方法だと LINEログイン と LINE Login の表記揺れなどにも強いです。
一番の理想はGoogle自身が site: 検索をするMCPサーバを提供してくれることです。しかしこれは検索結果画面の広告で収益を得ていることを考えると実現する可能性は低いと考えています。Playwrightで検索する方法も考えられますが、Googleの利益に相反することなのでいつまで利用可能かわかりません。
2024年 ふりかえり
去年のやつ
OSS 関係
今年は https://oss.odan.dev/ を作ったので、ここから振り返ることができます。
印象深いやつをいくつかピックアップします。
happy-dom
仕事でエッジケースなテストを書いていて、その中で happy-dom にフィードバックできそうな挙動があったので issue を立ててプルリクまで作る、ということをしていました。
happy-dom はレスポンスが早いしすぐリリースもされるので、この部分の開発者体験は良かったです。
nivo
副業先で nivo のバージョンを上げると Next.js 上で build エラーになっていて困っているという話がありました。これを解決するタスクが自分にアサインされたのがきっかけです。
最初は workaround をいくつか試していましたが、やっているうちに「なんで世界中の開発者がこんな作業を強いられているんだろう...??」という気持ちになってしまいました。nivo が正しく ESM 対応すれば何も困らない話なので、方針を相談して nivo 自体を修正することにしました。
まだプルリクはマージされていませんが、来年にはマージされることを祈っています。
Open Collective
去年に続いて ESLint、typescript-eslint、Prettier、core-js に毎月10ドルずつ寄付しています。
来年はもう1つか2つぐらい寄付先を増やしたいなと考えています。
仕事
本務
チームごと別部署に移動したりして色々ありましたが、去年と変わらず LIFF やLINEログインなどの開発者向けのプロダクト開発に関わっています。
そんな中で今年はインターンを受け入れました。これまでインターンを受け入れたことがなかったので、準備や期間中の対応など慣れない部分が多かった記憶があります。
当初予定していた開発が無事完了しただけでなく、ポッドキャストへの出演やインターンレポートの執筆までできたのはかなり良かったなと考えています。
兼務
また春から別のチームに兼務がつきました。
兼務先では機会に恵まれて、技術カンファレンスに関する仕事をしています。
来年以降も技術カンファレンスのスポンサーや社内向けの支援を継続していければなと考えています。
副業
去年から続いて同じところで副業を続けています。
本業が開発者向けのプロダクトなため、なかなか王道なフロントエンドのコードを書く機会が少ないです。そんな中で今年も副業先でモダンフロントエンドなプロジェクトに関わることができました。ここでの経験値や気付きは本業にも活かせている感覚があります。
登壇
TSKaigi 2024 と Vue Fes Japan 2024 と JSConf JP 2024 にプロポーザルを出して、Vue Fes Japan 2024 に LT で登壇することができました。
兼務先で技術カンファレンスのスポンサー関係の業務に関わっているので、来年はより強く登壇を狙っていきたいと考えています。
まとめ
今年は新しく技術カンファレンス関係の仕事に関わるようになったのがアップデートでした。
OSS への関わり方や仕事の内容には満足しているので、このまま継続して来年も動き続けたいと考えています。
Vue Fes Japan 2024 に参加してきました
タイトルの通り Vue Fes Japan 2024 に参加してきました
今回はLTのスピーカー参加でした
以下はスライドです。
LT を出した背景
今年はカンファレンスへの登壇をできたらいいなと考えていて、TSKaigi や JSConf JP に CfP を出していました。
ただ春先に TSKaigi はセッションの CfP を出して落選していたので、競争率が低いであろう LT の CfP を出す戦略に切り替えていました。
LT のネタをどうするかは少し悩みました。なぜなら普段仕事では Vue.js を書く機会はあるものの、頻度も量も多くはないため CfP として書けるほどのネタを持ち合わせていなかったからです。
唯一ネタになりそうな今年の年始に行った Vue2 => Vue3 のマイグレーションは、昨年末で Vue2 は EOL になったので旬が過ぎている気がして諦めました。1
公式サイトの CfP の募集要項をよく読むと Vite や unjs 関係のパッケージやコミュニティに関するトークでも OK と書いていました。そのため当時 Vitest Browser Mode についてサーベイしていたのもあって、このネタで LT に応募しました。
カンファレンスの感想
昨年の会場よりも広く気になるセッションが満席で中に入れない、ということがなく快適でした。
また、Evan をはじめとする Vue.js や Vite や unjs のコミッターが実際に日本に来て会えるのはいい機会だと思いました。実際に懇親会で pi0 と少し話すことに成功しました。
LT はほどよく緊張感を持って挑めたので、個人的にはうまく発表できた気がしています。テスト戦略の Testing Trophy や Vitest Browser Mode に関する知識を聞いている方に持ち帰ってもらえるといいなと考えていました。LT の中で「これらのことを知っている人〜?」問いかけたところ、大体半分の人が手を挙げていました。なのでレベル感としても程よかったのかなと感じています。
自分の LT の順番待ちやスポンサーブース巡りの影響で、昼過ぎのセッションをあまり聞けなかったのが少し心残りでした。カンファレンスの時間配分は難しいですね。
来年の意気込み
今年は縁があり LT で登壇することができました。ただ当日の参加者の熱量的に通常のトークでの登壇のほうが注目度は高いので、来年はトークでの登壇を目指したいです。そのために CfP は複数出して当選率を上げる戦略が大事なのかなと思いました。
あと海外の方も参加されるカンファレンスなので資料は英語で作ったほうが良かった、と資料が完成してから後悔しました。特にトークだと海外の方が来る可能性が高まるので、来年はなおさら英語での準備をしたいと考えています。
そのためにも来年までに Vite や unjs 周りについて見識を深めて、可能ならコントリビュートしていこうかなと考えています。
終わりに
楽しいカンファレンスでした。スタッフ及びスポンサーの方々、ありがとうございました!
- ただ今回の会場で聞いた話だと Vue2 のまま Never-Ending Support を受けている企業がいくつかありました↩